たば小ヤマメ卒業式(ヤマメ放流会) 160日目 H29.3.1
「ヤマメ卒業式」(放流会)を行いました。10月から160日間。子供たちが育てきたヤマメたち。1000匹放流を目標にしてきましたが,この4週間が厳しかったです。ヤマメが大きくなるにつれ過密状態(かみつじょうたい)の中,水の汚れでエサが食べられなくなったヤマメが出てきました。今日,放流できたヤマメは,600~650匹。それでも,4~5cmと成長したヤマメたちは,パーマークもくっきりと,ヒレも大きく黄色とオレンジ色がさしてキラキラと輝いていました。ビニル袋に入った「美人ヤマメ(山女)」たちをじっくり観察した子供たち。「きれいだ~」「一人前に大人と同じ模様だ!!」・・・と様々な感想とともに,カウントダウン!
「5・4・3・2・1・・・放流!!」
一斉に,丹波山の豊かな自然の中に放たれたヤマメたち。子供たちの足下に群れて泳いでいます。「まだ,5月頃まではここで集まって泳いでいるよ」とのヤマメ博士の声に,「また見に来たい」と子供たち。放流した一匹一匹に,「マメちゃん」「サバちゃん」「○○1号・2号」・・・と命名していました。命のたくましさ,美しさを十分に堪能していました。
一緒に参加していただいたお母さんたちも,「すごい」「かわいい」「ヤマメの稚魚をこんなにじっくり観たのは初めて」とデジカメを水中に突っ込んでヤマメの様子を撮影しようと悪戦苦闘していました。(残念ながら,ブログには掲載できないのですが,水のきれいさ,ヤマメのかわいらしさがしっかり撮影されていました)
発見!! なんと一番大きなヤマメの口から,ヤマメの尾ビレが出ていました。「エッ! なんで?」「もしかして・・・スゴイ!」 驚きの子供たち。
さて,「命」そして「命のつながり」について丹波山村の自慢であるヤマメを通して学習してきた子供たち。
Keyワードを振り返りながら,学習のまとめをしました。
「自分たちの手で,命が誕生させられたことに驚きました」「育てる中で,光に弱いこと,振動がない静かな状態にしておかないと成長できないことなどを初めて知りました」「ふ化したばかりのヤマメを初めて見ました」「一匹の命(親)から,こんなにたくさんの命が育ったのがすごいと思いました」「シラメ(銀毛)ということを初めて知りました」・・・一人一人の考えをその場のみんなで共有しました。
テーマにあった「自分にできることは何かを考える」については,「私たちは,ヤマメのような命を食べて(いただいて)生きているということから,これからも命の大切さを考えていきます」「ヤマメの命を守るために,環境を大切にしていきます」「私たちも同じ命です,お母さんのお腹の中でこんな風に守られていたことを考えていきます」・・・
今回の活動で,生きるということを具体的に実感し考える一歩が踏み出せたかもしれません。子供たちが「命の大切さ」を当たり前に捉えられ,他の学習や体験活動へつなげていけるように,私たち身近な大人の課題は大きいです。
最後に,今回の活動にご支援いただいた,ヤマメ博士(柴崎さん),丹波山村教育委員会,丹波川漁業協同組合のみなさんに感謝申し上げます。今後とも,子供たちを温かく見守っていただきたく,よろしくお願いいたします。
さあ,次は子供たちの卒業式です。同じように「きらきらと輝き」「温かく」「希望溢れる」卒業式にしていきます。
ヤマメ日記 H29.2.1 (131日目 稚魚⑤)◆ヤマメ卒業式(放流会)3/1(予定)
2016年10月13日 丹波小の食堂で誕生したヤマメたちの命も130日以上,玄関の片隅で元気に育ってきました。誕生させた親代わりの子供たち(12名),毎日水温を計測して,氷を持ってきては水温を下げながらきれいな水を保ってきました。おかげで,「1000匹放流」が達成できそうです。
放流会「ヤマメ卒業式」を3月1日(水)5校時に予定したいと思います(天候によります)。放流点は,丹波川,学校下「橋詰橋」村民グラウンド側を考えています。安全面を第一に考えて,決まり次第お知らせいたします。なお,放流においては,丹波川漁業協同組合の許可が必要です。放流する魚が,病気を持っていたりしたら大変です。まず,漁協の方にチェックしていただきます。
前回,「白っぽいヤマメ」を紹介しました。秘密が解けるかなと問題を出したら,なんと,3年生の男の子が調べてきてくれました。(夜遅くまで,調べていたようです←スゴイ!!「まいりました」)
キーワードは,「スモルト」です。もともと,ヤマメは昔から「銀毛」「シラメ」などと呼ばれていた銀色をしたヤマメがいました。サケと同じで,海へ下るときに海水で泳げるように準備できると,パーマークが薄れて体全体が銀色のうろこでおおわれてきます(ただし,銀毛ヤマメのうろこは,薄くてとてもやわらかく,すぐにはげてしまいます)。ヤマメが養殖されるようになってから,青色に反応して銀毛するとか,成長ホルモンや甲状腺ホルモンによって変化するとかが分かってきたようです。(3年生の調べ学習:要約)
さて,あと4週間。丹波小のヤマメはどんな風に成長していくだろうか。
ヤマメ日記 H29/1/26(126日目 稚魚④)積算水温:1120℃
大きく育ちました。毎日,エサをよく食べます。とても食いしん坊なヤマメたちです。エサを食べると,お腹が大きくふくらみます。尾ビレにも,うっすらとオレンジや黄色がさしてきました。「渓流(けいりゅう)の宝石:山女(ヤマメ)」らしさが見え始めました。(まだ,まん丸の眼であどけない表情ですね)
体長は,約3.5cm~4cmくらいです。 5cm以上に育てたいですね。
学年のヤマメたちも,すこぶる元気です。その分,困ったことが・・・。予想以上に元気に育っているので,発泡スチロール水そうがせまくなってしまいました。どの水そうも,朝の満員電車状態です。どうしようか・・・?
おもしろいことを発見!! 6年生のヤマメだけ,色白でとても美人です。他のヤマメたちは背中が黒いのに,6年生のヤマメたちは,うっすら灰色(はいいろ)です。これは,何か秘密がありそうです。ちがう条件は,発泡スチロール箱が他の学年より大きいことです(水の量が1.5倍くらい多いです)。さあ,この秘密解き明かせるかな?
んんっ・・・3年生のヤマメの色もうすくなってきたかな?
ヤマメ日記 12/15(85日目 稚魚③)積算水温:約800℃)
元気なヤマメたち。
「元気な自然,あこなゆ水槽」(4年生)をのぞいてみたら,すばやく泳ぎ回れるようになっていました。体長:約3cmで,おなかの「栄養のふくろ」もよく観ないと分からないくらいに小さくなっています。一人前に,体の側面(そくめん)には「パーマーク」がしっかりと表れていました。「ヒレ」も大きく,そっとふたを開けると,みんな驚いてちりじりに泳ぎます。
いよいよ「餌づけ」に入ります。
ヤマメ日記 11/22(41日目 稚魚②)積算水温:約530℃)
すべての水そうが,積算水温500℃をこえて,受精卵すべてがふ化しました。各学年の発砲スチロールの水そうは,みんなが「命の氷」を忘れずに持ってきてくれるので,とても元気がいい稚魚たちです。それぞれの水そうでふ化した稚魚は,およそ300匹くらいです。今年は,全部で1200匹をこえているようです。あとは,毎日,水温を10℃くらいに保って,積算水温1000℃をこえたら,餌づけ(えづけ)に入ります。(少し気を付けなければならないポイントですが…)
観察用のガラス水槽の稚魚は,残念ながら少し弱り気味です。水温が少し高いのと光が入ってしまうからですね。みんなで守っていこう!!
先日,3年生が,道徳で「大自然のお客さん」を学習しました。その時に,「ヤマメを育てて行くときに,大切にしていること,その気持ち」について語ってくれました。
◆やさしく。命を大切に。(毎日)水温をはかることをわすれないで,氷をもってくる。
◆12匹の(ヤマメの)親たちの命がなくなってしまったので,(ヤマメを)たくさんたくさん大きくしたいです。だから,毎日,氷で水温をさげていきたいです。
「命」は,なぜ「大切」なのか。じっくり考えてほしいですね。
ヤマメ日記 11/16(35日目 稚魚)積算水温:約500℃
積算水温が500℃をこえ,ガラス水槽の受精卵は,すべてふ化しました。300粒ほどの受精卵でしたが,ふ化した稚魚(ちぎょ)は,約220匹程度でした。まるで「オタマジャクシ」のように,何カ所かにかたまって”チョロチョロ”と動いています。ふ化直後より体の形がしっかりしてきて,眼や口も”しらす干し”のようです。体の色も黒くなってきて,おなかのふくろ以外は,魚らしくなりました。
6年生の「マメ水槽」(発泡スチロール水槽)も積算水温:460℃をこえ,すべての卵がふ化しました。みんな,せまい水槽だけど元気いいですね。(白い卵は,残念ながらふ化できなかった卵です)
ヤマメ日記 11/7(26日目 ふ化第1号)積算水温:約400℃
いよいよふ化しました。第1号です。心臓や血管(けっかん),骨(ほね)の様子もはっきりと観察できます。
体長:2.4cm 心臓(しんぞう)が動いている様子も血液の流れている様子も観察できます。栄養のふくろは,ほそい血管に包まれています。元気よくひれを動かしますが,おなかの栄養がなくなるまで(お正月ころ)は,水そうの底でじっとしています。オタマジャクシのようですね。 ここで問題です。ヤマメの稚魚は,卵からどのように出てくるでしょうか?さあ,みんなで見つけてみよう。
ヤマメ日記 10/31(19日目 発眼卵→ふ化間近):約300℃
眼(め)の様子がはっきりしてきました。血管(けっかん)も枝(えだ)分かれしてのびてきました。卵のうも血管のおくにうっすらと黄色く見えてきました。心臓(しんぞう)は,まだ見えにくいですね。いよいよ孵化(ふか)まぢかです。
ヤマメ日記 10/27(15日目 発眼卵)積算水温:約250℃
眼・血管・心臓が成長してきました。これを発眼卵(はつがんらん)と言います。卵の下の方には,少し黄色がかった卵のう(稚魚の栄養)も見られます。あと50℃(4日くらい)でふ化(稚魚が卵から生まれる)が見られます。生きているんですね。
ヤマメ日記 10/22(10日目)積算水温:約150℃
黄色がうすくなってきました。真ん中(まんなか)に,なにかが集まっているようです。上の方にも,こい色の丸い点のようなものが見られます。
ヤマメ日記 10/17(5日目)積算水温:約80℃
受精卵を育てている水槽です。スーパーマーケットのサッカー台近くにあった発泡スチロールの箱です。水温を保ってくれたり,紫外線を防いでくれたりと大変便利です。この一つの水槽の中に約400個の受精卵が入っています。もう一つのガラス水槽には,300個くらい入っていて,こちらはみんなの観察用です。
5日目の卵です。よく観ると左が細胞分裂が進んだ受精卵。右は,残念ながら命を無くしてしまった卵で,ブヨブヨと白く濁ってしまいました。
ヤマメ日記 10/14(2日目)積算水温:約30℃
ヤマメの受精卵は,まだ変化は見られませんが,白くなってしまう卵(死卵)もなく,順調に育っている様子です。毎日子供たちが家から持ってくる氷に守られて,現在の水温は,ほぼ14~15℃(ガラス水槽は,16℃)に保たれています。とても元気な状態です。
ヤマメの卵にとって大切なこと。「水」:丹波川の源流のようなきれいな水。「温」:水温を16℃以下に保つこと。「光」:紫外線に当てないこと。「静」:震動をあたえないこと。「心」:どんな小さな命も,自分の命と同じように大切にしようとする心。このキーワードを守って育てていきましょう。
ヤマメの採卵
10月13日(木)の3・4校時に食堂でヤマメ博士の柴崎利春さんの指導の下、ヤマメの採卵と受精を全校児童で行いました。まず、ヤマメのメス2匹の卵をしぼり、次にヤマメのオス11匹の精子をかけて、きれいな水を入れました。最後に、合計13匹のヤマメの親から卵を受精をさせ、1700匹もの受精卵(命)が誕生しました。また、未受精卵と受精卵を顕微鏡で観察し違いを知ることができました。
初めて見るヤマメの受精の瞬間に全員で感動し、あたたかい気持ちになりました。お忙しい中、ヤマメの育て方を丁寧に教えてくださり、ありがとうございました。みんなの愛情で、これから大切に大切に育てていきましょうね。