雑感27 : 全国へき地教育研究大会青森大会に参加して

 10月12日から14日まで,第65回全国へき地教育研究大会青森大会に参加させていただいた。全国各地から1,277人(そのうち青森県が937人,本県は6人)が集う研究大会で多くのことを学ばせていただいた。

 初日の交流会では,全国の校長先生方から話を聞き,また本校の話をした。img_0254
「今年でへき地校はなくなり,義務教育学校に移行するんですよ」(千葉県)
どの地も少子化が進み,存続に躍起になっているとのこと。
「授業日数は210日です」(秋田県)
全国学力・学習状況調査で3位であることとは関係なく,雪害のために多くしているとのこと。 そして,冬は雪かきではなく雪堀を除雪機を使って行うとのこと。
「出張には3時間半かかるため,午後の出張には朝会が終わったら行き,帰りは20時近くになるんですよ」(青森県)
これは当たり前なために大変とは感じなくなっているとのこと。東京の式根島の校長先生とも…。

 そんな折に,「山梨県の丹波山中学校は全校10人で頑張っています。しかも,複式学級を解消して行っている。村単教員を配置してもらっている」という話をすると,全員が「どうしてそんなことができるのですか?」と執拗に聞かれた。
「県や丹波山村の配慮です。子どもは地域の宝ですから」 
他県では義務標準法に則りやっているとのこと。つまり,児童生徒数が基準に満たなければ複式学級となり学年をまたがって授業を行わなければならないとのこと。こんな話を聞くと恵まれている,もっと教育効果を出さなければ…と思う。

 2日目は全体会と分散会があった。
全体会で青森県知事の三村申吾氏は次のように語った。
「子どもが減少すれば青森県も衰退の一途をたどる。そのために“ゆりかご”(子ども)を大事にする政策をとっている。それはふるさとを大切にする教育。ゆりかごたちが大人になったときに青森に戻って欲しいが,どの地にいっても心には青森があることを忘れない教育を目指している。これは先生方の指導にかかっているし頼っている」と。熱弁であった。心に響くものがあった。

 全体会の講演では舞の海秀平氏。演題は「可能性を信じて ~ 技のデパートを支えたひと・もの・こと ~ 」であった。 img_0276
 大学まで相撲部に所属していたが絶えず辞めることを考えていたそうだ。鰺ヶ沢第一中学校時代,練習で耳が裂けたのでしぱらく練習を休めると思い顧問に言ったが,顧問はラグビー部に行きヘッドギアを借りてきて「これで大丈夫だ」と言い,無理矢理やらされたそうだ。
 大学4年卒業時には山形県の教員に就職が決まっていた。ところが同郷の後輩が死去し,「今,本当にやりたいことは何か」と自問自答した結果,「相撲」とわかった。ところが,身長が低いために新弟子検査で通過しないことがわかり,大塚病院外科でシリコンを入れてみごと合格したそうだ。その後は関取となり,小錦戦などで技のデパートを披露する。舞の海氏は「人生の節目節目で学んだことは,勝ってもおごるな。負けてもひるむな。感謝の気持ちを持っていつも謙虚に!」と熱く語った。うなるものがあった。

 最終日はつがる市車力中学校で研修。どの授業もホワイトボートを活用し,伝え合い・認め合い・高め合える授業であった。へき地校といっても100人を越える学校(2・3年は2クラス,1年1クラス)。子どもたちは生き生きと授業を受けていた。そして合唱。「手紙 ~拝啓 十五の君へ」 を聞いたときには思わず拍手dscn4872であった。

 青森で研修してきたことを先生方に伝え来年度の学校経営に生かしていこう。丹波中学校生が主体的・対話的な深い学びが体得できるように,教育効果を考え実践できるように。そのために今年度の経営・運営を分析・評価を多角的に行おう。そして,本校はホワイトボートではくiPadだ。この利点を生かさない手はない。もっと積極的に取り入れていこう。

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