雑感18 : 丹波川渓流釣り解禁

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 昨日の降雪にもかかわらず早朝から賑やかだ。往来には凍結している路面を多くの車が通る。ナンバープレートを見ると,所沢・多摩・相模・熊谷・八王子など。意外と県内ナンバーは少ない。

 今日は15日。丹波川渓流釣りの解禁日。この時期はいつにも増して活気があるらしい。何が釣れるか釣り人に聞いてみた。
「ヤマメだね」「もう釣れましたか」
「あの人なんかはイワナも釣った」 鮎解禁は7月。

 おむすびを食べて一息ついている人もいた。
 「どこから来ました?」「向こう…埼玉」4時に起きて圏央道を通ってきたとのこと。
 「ここはいいとこだね」「生徒は幸せだ」と愛想なのか本当のことなのか。
 「静かだし,ヤマメの活きがいい」

 自然を守るためには,人はあまり入らない方がいい。しかし,人が来ないと潤わない。痛し痒し。 釣り人には牧歌的な風景をリピートしてもらい,丹波山村の宣伝になればと思う。その結果,山村留学の地として丹波小中学校を選択してもらえるとありがたい。

 それにしても,生徒たちにとって自然に恵まれているこの地で学習できることは一生の肥やしとなる。ふるさととして自慢できる。

 高村光太郎の『智恵子抄』に「あどけない話」という詩がある。

   智恵子は東京に空がないと言ふ。IMGP4974
   ほんとの空が見たいと言ふ。
   私は驚いて空を見る。
   桜若葉の間に在るのは,切つても切れないむかしなじみのきれいな空だ。
   どんよりけむる地平のぼかしはうすもも色の朝のしめりだ。
   智恵子は遠くを見ながら言ふ。
   阿多多羅山の上に毎日出てゐる青い空が智恵子のほんとの空だといふ。
   あどけない空の話である。

 生徒にすれば,丹波川の上に毎日出ている青い空が本当の空。ふるさとを愛しふるさとから学ぶ生徒になってもらいたい。そのために来年度は地域から学ぶ教育活動をたくさん取り入れた。

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