お別れの言葉

　山々に降り積もった雪も溶け，校庭の桜の蕾に小鳥が舞い降り，春らしさが漂い始めたこのよき日に，このような厳かで晴れやかな卒業式を挙行してくださり，心より感謝しています。卒業が近づくにつれ，不安と寂しさを感じながら過ごしてきましたが，校長先生をはじめ，ご来賓の方々，在校生の皆さんから力強い励ましの言葉と心温まるご祝辞をいただき，胸が熱くなる思いがしております。
　
　丹波中学校では，授業や日常生活の大切なことを一対一の最高の環境の中で先生方が丁寧に優しく指導してくださいました。時には，厳しく，上手くいかない悔しさから口を開きたくないときもありました。しかし，先生方は私が納得いくまで待ってくださいました。そのおかげで気持ちを切り替えられるようになり，自分なりに考えて行動できるようになりました。
　
　初めて経験したことがたくさんありました。『丹菅音楽祭』では多くの人の前で「さようなら」の指揮を，緊張の中やり遂げることができました。『長距離走』では，翔子先生と岡部商店まで走れるようになりました。最初は不安であきらめかけたこともありました。しかし，「簡単にあきらめるような自分にはなりたくない。」「こんなことに負けてたまるか」と自分の心を奮い立たせ，挑戦することができました。これからも諦めない強い心を大切にしていきたいです。『花植交流会』・『苗植え交流会』では地域のお年寄りの方とお話をしながら一緒に活動することができました。それをきっかに道で会うと「気をつけてね」「よかったよ」と声をかけていただき，元気に登校することができました。
　そして，何よりも印象に残っているのは『清流祭』です。「無限～新たな可能性を求めて～」をテーマに掲げ，それに向かって努力を重ねることができました。
悔しくて涙を見せてしまう時もありました。しかし，一，二年生の励ましや支えによって辛さを乗り越えることができました。

　賢君，俊成君と二人三脚で学校を盛り上げてくれました。周りの状況をよく見て判断して行動する姿を，私も見習わなければいけないと思いました。俊成君，二年生にもかかわらず生徒会長として頑張ってくれました。大知先輩から「丹波中の伝統を頼む」と託され，何事にも一生懸命に努力をしていました。龍弥君，見本になる行動で学校生活をおくってくれました。清流祭の看板づくりでは，進んで行動していましたね。また，卓球部の部長を頑張っている姿が印象に残っています。晃也くん，定期音楽会の和太鼓で観客の方々を魅了していました。環境美化委員会の委員長として会を上手に進行してくれました。来年度は最高学年，今年の経験を生かして頑張ってください。友香さんは素直で気軽に話すことができました。入学直後は心配な事が多かったと思いますが，先輩のやっていることを見習い，自分から動けるように成長しました。今度は後輩たちのよい見本となってください。倫君，本当に負けず嫌いで，何事にも前向きに挑戦していました。支部陸上記録会や卓球の総体で必死になってみんなのために応援していた姿が忘れられません。

　おじいちゃん，おばあちゃん，桶川に帰ると毎回笑顔でむかえてくれました。何気ない会話でも気持ちが落ち着き，次の週も頑張ろうという気持ちにさせてくれました。本当に感謝しています。
　そしてお母さん，行事がある度に仕事を休んで学校に足を運び私の姿を見ていてくれたね。私がここまで成長できたのはお母さんのおかげです。
　
　私は最高学年として今日まで頑張ってきました。しかし，四月からは埼玉で高校一年生としての生活が始まります。これかの生活で私が一番気をつけたいことは，人とのコミュニケーションの取り方です。私は将来，小さなお店で自分でデザインした洋服を作りたいと思っています。そのために，大切なことは人とどう関わるかということだと思います。

　丹波中学校で学んだことを生かし，自分の力で生きていけるように頑張っていきたいと思います。最後に，ここにいる私を見守り支えてくれた全ての皆様に「ありがとう」という言葉を心から贈り，別れの言葉とさせていただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成二十八年　三月十日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　卒業生　染矢　夏実