雑感20 : 教室の外から見た学校の風景

 本校の校長室は8畳ほど。耐火性金庫1,ロッカー1,書棚4,机。他にテーブル,ソファーがある。これだけあると,歩くスペースもままならない。そのスペースを確保するためにテーブルはサイドに置き,必要なときに中央に設置している。決して落ち着いた綺麗な部屋とは云えない。しかし,先生方が入りやすい部屋であり意外と快適である。

 先日(4月14日),丹波山学経研(小中学校長が丹波山村の教育長さんと教育次長さんから指導を受けたり,協議したりする会)が開催された。個人的に,この会は教育長さんから経営学を学ぶ場と思っている。
「笑顔に勝る化粧なし」(人は笑顔を絶やさなければ化粧などしなくても美しい。)
「いいことはどんなに遅くてもいい。ただ,悪い情報や困ったことはすぐに報告・相談。」
「校長は社長である。思う存分やってください。後の責任は私が取りますから」(本当に責任を取っていただいている)など,生きた経営学を学んでいる。そして,その話はストーンと落ちてくることばがり。そんな会が本年度初めてあった。

 その資料の中に「子どものいる風景 ~ 教室の外から見た現場の風景」があった。出筆者はNHK解説委員の早川信夫氏。
 「一読されるといい。特に若い教師がたくさんいる学校は。」と教育長さん。それ以上は言わない。意味深長であった。気になって読んでみた。

 項目を追って読んでみると,“子どもに説明するのは簡単なようで難しい”,”「わからない」が「わかる」の入り口”,“「知っているだろう」の思い込みは禁物”,“「ちょっと難しい」がわかると楽しい”,“伝える力とは?”
 示唆に富んだ話。これを先生方に伝えようなどと考えていた。しかし,次の項目“学校はどう見られているか”で目から鱗が…。

 子どもにとってよい学校。

校長室の清掃が行き届いているかどうかである。校長室は外来者の応接室の役割を持つ。その清掃が行き届いているかどうかは,学校経営がどれだけ行き届いているかのバロメーターだ。大抵の校長室はきちんとしているのだが,さり気なく応接セットの下や校長の机の下を見てみると,ホコリがたまっていることがある。それでは,学校経営がうまくいっているはずがない。他のチェック項目と合わせて見てみると,ほぼ当たる。立派かどうかではなく,質素でも綺麗にしているかどうかだ。テーブルの周囲はきちんと掃除されていても,その下に四角く掃除し残した跡があったりすることがある。校長の目が届いていない証だ。(教育時評より)

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  常日頃,生徒には「凡事徹底」を語り,先生方には掃除はトイレがポイントと伝えてきた。
 ところが,学校を外から見ている人のポイントは校長室。ドキ! 校長室が顔とのこと。学校を知る視点の一つは校長室が綺麗であるか。これが世間の当たり前。当たり前は難しい。教育長さんの意図はここにあったか。いつも多くを語らず悟らさせていただく。
 人のことを語る前に自分の身の回りを綺麗にしよう。これぞ凡事徹底。ボロは着てても心は錦。人のふり見て我がふり直そう。本校の校長室での接待はスペース的に難しいが,花を置いたりして綺麗にしよう!

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